ナイスハート
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 福祉作業所や障がい者施設の製品について、以前の私は「ダサい、質が悪い、不味い、安い」というイメージを持っていました。 そんなイメージが変わったのは数年前、私たち田頭茶店の工場に、ある母子がパートに来たことがきっかけでした。 その娘さんは礼儀正しく黙々と仕事をし、純粋でとてもやさしい子でしたが、勤務の途中から、障がいがあるという事、弊社に来ない日は作業所へ行っている事、そしてその作業所の工賃だけでは生活できないという事を聞きました。その時から、障がいのある方も、もっと普通に働いてお金を得られるべきだと感じ始めたのです。 その後、私たちが広島三越にカフェをオープンする時に、聴覚障がい者の方々が働く木工所に木の番重(※薄型の箱)やランチョンマットをオーダーしました。カウンター上に置くそれらは、このカフェでの見せ場(!)になるものだったため、何回も打ち合わせをして頂き、悪い所はすぐに直して頂きました。 おかげさまでとても良い作品が出来上がり、高級感のある素敵な抹茶カウンターカフェが完成しました。 私たちの店舗を訪れてくださるお客様には、障がい者施設は「心がこもっていて、美味しく、センスが良くてリーズナブルな商品を提供して下さる」というイメージが伝わっていると思います。 茶葉の仕入れで鹿児島へ行く時にも現地の福祉作業所へ立ち寄らせて頂きますが、真摯に仕事に取り組まれる姿勢に、いつも感心感動です。 また、今回のようなSTAND-UP PRODUCTSの取り組みが、障がい者施設への適切なイメージをさらに広げてくれるものと思っています。広島で80年以上の歴史をもつ(株)田頭茶店の代表取締役。広島・福岡を中心に洗練された日本茶カフェを展開している。カフェの店舗で障がい者施設の製品の良さを伝える吉長 邑彩吉長 邑彩よしなが  ゆい(株)田頭茶店聴覚障がい者の方々が働く木工所で作っていただいたランチョンマットと番重田頭茶舗の店舗。こだわりのある店舗づくりは、使用されている障がい者施設の製品イメージの向上にも一役買っている31

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